「山猫」・・・原作と映画化
2004年 10月 30日
「山猫」G・T・ランペドゥーサ:著 (河出文庫) 読了しました。
ルキノ・ヴィスコンティ監督のカンヌ映画祭グランプリ受賞作「山猫」の原作です。今回それがイタリア語完全復元版でリバイバル上映されるのに合わせて改訂版が出版されたので、読んでみました。
いかにもヴィスコンティ好みの題材だと思いました。
シチリア島のサリーナ公爵ドン・ファブリツィオの半生を通して、没落して行く貴族社会の憂愁と倦怠を骨太に描いた読み応えのある作品で、著者のランペドゥーサ自身、作品の舞台にもなっているシチリア島のパレルモの公爵です。
貴族が描いた貴族社会の斜陽・・・ヴィスコンティもまた、ミラノの名門貴族の出身です。そして、一時期共産主義に傾倒し<赤い公爵>と呼ばれたこともあるヴィスコンティは、イタリア統一運動に参加した主人公の甥タンクレディの心情にも通じていたのではないかと思います。
ヴィスコンティは8章からなる原作の6章までをほぼ忠実に映画化しています。1860年5月~1862年11月までの2年半にあたる部分です。描かれなかった7章にはそれから21年後の公爵の死が、8章は更に27年後の公爵の年老いた娘たちの時代が描かれています。
つまり、原作は50年にわたるサリーナ公爵家を描いているのですが、それに比べると映画はドン・ファブリツィオの苦悩や焦燥に焦点を当てて描いています。映画の方が印象的で好みですが、貴族の一族の没落をテーマとしたならば、原作もありかな・・・と。
上映情報:Yahoo!ムービー
作品情報:「山猫 / Il gattopardo」(<CinemaItalia~映画でイタリア>)
ルキノ・ヴィスコンティ:VIVA Luchino Visconti
TBしています:
10/28@「山猫」を見に行きました。(ばか日記(小エビ春巻き@Light version.様)
詳しい感想はこちら
ルキノ・ヴィスコンティ監督のカンヌ映画祭グランプリ受賞作「山猫」の原作です。今回それがイタリア語完全復元版でリバイバル上映されるのに合わせて改訂版が出版されたので、読んでみました。
いかにもヴィスコンティ好みの題材だと思いました。
シチリア島のサリーナ公爵ドン・ファブリツィオの半生を通して、没落して行く貴族社会の憂愁と倦怠を骨太に描いた読み応えのある作品で、著者のランペドゥーサ自身、作品の舞台にもなっているシチリア島のパレルモの公爵です。
貴族が描いた貴族社会の斜陽・・・ヴィスコンティもまた、ミラノの名門貴族の出身です。そして、一時期共産主義に傾倒し<赤い公爵>と呼ばれたこともあるヴィスコンティは、イタリア統一運動に参加した主人公の甥タンクレディの心情にも通じていたのではないかと思います。
ヴィスコンティは8章からなる原作の6章までをほぼ忠実に映画化しています。1860年5月~1862年11月までの2年半にあたる部分です。描かれなかった7章にはそれから21年後の公爵の死が、8章は更に27年後の公爵の年老いた娘たちの時代が描かれています。
つまり、原作は50年にわたるサリーナ公爵家を描いているのですが、それに比べると映画はドン・ファブリツィオの苦悩や焦燥に焦点を当てて描いています。映画の方が印象的で好みですが、貴族の一族の没落をテーマとしたならば、原作もありかな・・・と。
上映情報:Yahoo!ムービー
作品情報:「山猫 / Il gattopardo」(<CinemaItalia~映画でイタリア>)
ルキノ・ヴィスコンティ:VIVA Luchino Visconti
TBしています:
10/28@「山猫」を見に行きました。(ばか日記(小エビ春巻き@Light version.様)
by yuiga28
| 2004-10-30 22:15
| Book 小説