「悠久の窓」 ロバート・ゴダード 講談社文庫
2005年 04月 07日
詳しい感想はこちら   掲載書籍INDEX
ロバート・ゴダードが最近、失速気味だとか、迷走気味だとか書いたが、今回新たに翻訳されたこの作品は良かった。いや、失速だ、迷走だと書いた作品も、実は出来が悪かったわけではないのだ。それなりに楽しんで読んだのだ。でも、「ゴダードらしくない。」という理由でこんな言を吐いたのである。
「ゴダードらしくない」・・・それは単に初期の「千尋(ちいろ)の闇」や「リオノーラの肖像」、「闇に浮かぶ絵」などの雰囲気と違う、というだけのことなのだ。常に新しいスタイルを模索している作家の作風が変わったを「らしくなくなった」と倦厭するのは冷静さを欠いている以外の何物でもない。その点をこの本の解説を読んでちょっと反省させられた。
でも、ここ何作かは、「面白かったが他の作家でも書けるんじゃないか?」、言い換えれば”月並み”と思わせられるものだった。その思いは今も変わらない。
この作品は「ゴダードらしさ」には欠けるが、月並みではない。
逆に初期の張り詰めたような硬質な感じがとれ、温かささえ感じ取れたし、読後感も爽やかだ。
問題となるステンドグラスにまつわる逸話と主題の融合も見事。それを最後の最後まで気付かせずに読ませ、一気に理解させる手法も心憎いばかり。
また新たな「ゴダードらしさ」の誕生か!?(反省したと言いながらちっとも懲りてない?)
ロバート・ゴダードが最近、失速気味だとか、迷走気味だとか書いたが、今回新たに翻訳されたこの作品は良かった。いや、失速だ、迷走だと書いた作品も、実は出来が悪かったわけではないのだ。それなりに楽しんで読んだのだ。でも、「ゴダードらしくない。」という理由でこんな言を吐いたのである。
「ゴダードらしくない」・・・それは単に初期の「千尋(ちいろ)の闇」や「リオノーラの肖像」、「闇に浮かぶ絵」などの雰囲気と違う、というだけのことなのだ。常に新しいスタイルを模索している作家の作風が変わったを「らしくなくなった」と倦厭するのは冷静さを欠いている以外の何物でもない。その点をこの本の解説を読んでちょっと反省させられた。
でも、ここ何作かは、「面白かったが他の作家でも書けるんじゃないか?」、言い換えれば”月並み”と思わせられるものだった。その思いは今も変わらない。
この作品は「ゴダードらしさ」には欠けるが、月並みではない。
逆に初期の張り詰めたような硬質な感じがとれ、温かささえ感じ取れたし、読後感も爽やかだ。
問題となるステンドグラスにまつわる逸話と主題の融合も見事。それを最後の最後まで気付かせずに読ませ、一気に理解させる手法も心憎いばかり。
また新たな「ゴダードらしさ」の誕生か!?(反省したと言いながらちっとも懲りてない?)
by yuiga28
| 2005-04-07 23:15
| Book ミステリー