「雪の中の三人男」・・・題名につられて
2006年 02月 23日
「雪の中の三人男」 エーリッヒ・ケストナー 創元推理文庫   (詳しい感想はこちら)
この本の題名を見た時、てっきりジェローム・k・ジェロームの「ボートの三人男」の姉妹編か続編だと思って興味を持ったんですが、著者名を見たら、エーリッヒ・ケストナー。「エミールと探偵たち」や「点子ちゃんとアントン」、「ふたりのロッテ」などで有名なドイツの児童文学作家じゃないですか。
偶然の一致なんでしょうか。それとも「ボート・・・」を意識してつけた題名なんでしょうか。
・・・それはわからないですが、どちらも抱腹絶倒のユーモア小説というのも一緒。
内容的にはこの「雪の中・・・」の方がストーリー性が強くて小説としてまとまっている感じがしました。これは書かれた45年という歳月による小説の進歩なんでしょうか。それとも、単なる手法の違い?
まあ、「ボート・・・」の方は船旅で出会った様々な出来事を書いているので、あの行き当たりばったり的な書き方が合っている、とも言えますが…。
ケストナーの子供向けの作品は子どもだった頃にいくつか読みましたが、大人向けのユーモア小説を書いているのは知りませんでした。
こんな小説を書いた経緯も知るとますますびっくりしてしまいます。
そもそもケストナーは詩人として文壇にデビューして、なかなか過激な作品を書いて好評を博していたいたとか。それにも驚きました。
児童文学を書き始めたのはその後で、こちらの分野で世界的に有名になり、後世に残る名作をいくつも書いたわけですが、ナチス政権下では”好ましくない作家”として弾圧を受け、「エミールと探偵たち」以外の著作が全て焚書の憂き目に遭ったんだそうです。
新しい本の出版も制限されてしまい、その時書いたのがこの「雪の中の三人男」を初めとする、大人向けユーモア小説三部作(他の2作品は「消えうせた密画」「一杯の珈琲から」) で、政治色を一切配して書かれているんだそうです。そう言われれば確かにそうでした。皮肉っぽい部分はありますが…。
だからこそ、楽しむことに徹して読める作品になっているのかも…。
時代的な古さは感じないし、むしろヨーロッパのスキーリゾートの伝統が日本人としては興味深く感じられたりして、そんな点でも楽しませてくれる作品でした。
この本の題名を見た時、てっきりジェローム・k・ジェロームの「ボートの三人男」の姉妹編か続編だと思って興味を持ったんですが、著者名を見たら、エーリッヒ・ケストナー。「エミールと探偵たち」や「点子ちゃんとアントン」、「ふたりのロッテ」などで有名なドイツの児童文学作家じゃないですか。
偶然の一致なんでしょうか。それとも「ボート・・・」を意識してつけた題名なんでしょうか。
・・・それはわからないですが、どちらも抱腹絶倒のユーモア小説というのも一緒。
内容的にはこの「雪の中・・・」の方がストーリー性が強くて小説としてまとまっている感じがしました。これは書かれた45年という歳月による小説の進歩なんでしょうか。それとも、単なる手法の違い?
まあ、「ボート・・・」の方は船旅で出会った様々な出来事を書いているので、あの行き当たりばったり的な書き方が合っている、とも言えますが…。
ケストナーの子供向けの作品は子どもだった頃にいくつか読みましたが、大人向けのユーモア小説を書いているのは知りませんでした。
こんな小説を書いた経緯も知るとますますびっくりしてしまいます。
そもそもケストナーは詩人として文壇にデビューして、なかなか過激な作品を書いて好評を博していたいたとか。それにも驚きました。
児童文学を書き始めたのはその後で、こちらの分野で世界的に有名になり、後世に残る名作をいくつも書いたわけですが、ナチス政権下では”好ましくない作家”として弾圧を受け、「エミールと探偵たち」以外の著作が全て焚書の憂き目に遭ったんだそうです。
新しい本の出版も制限されてしまい、その時書いたのがこの「雪の中の三人男」を初めとする、大人向けユーモア小説三部作(他の2作品は「消えうせた密画」「一杯の珈琲から」) で、政治色を一切配して書かれているんだそうです。そう言われれば確かにそうでした。皮肉っぽい部分はありますが…。
だからこそ、楽しむことに徹して読める作品になっているのかも…。
時代的な古さは感じないし、むしろヨーロッパのスキーリゾートの伝統が日本人としては興味深く感じられたりして、そんな点でも楽しませてくれる作品でした。
by yuiga28
| 2006-02-23 15:53
| Book 小説