「最期の喝采」・・・異色作
2006年 02月 17日
「最期の喝采」 ロバート・ゴダード 講談社文庫   (詳しい感想はこちら)
年に一度のお楽しみ、ゴダードの新作が今年も発売されました。
ここ数年、著しく作品のスタイルが変化している(そしてそれがあまり成功しているとは言えないものが多かった)ゴダードですが、今度の作品も得意の現在と過去の交錯が取り払われた作品で、8日間という短い期間に、しかもブライトンという街の中だけで起きた出来事が描かれている点が異色。更に、サスペンス性も強い作品でした。
サスペンス性が強いと言えば「秘められた伝言」もそうでしたが、あれが単にジェットコースター・ムービーみたいな味も素っ気も無い、他の作家にも書けるような作品だったのに比べると、今回の作品の方がゴダードらしい雰囲気が良く出ていると思います。
過去を扱った作品の重厚さは無いものの、ストーリーはさすがによく練られていています。次から次へと意外な展開で読み手を飽きさせませんし、次々起きる事件のどれもが裏で複雑に絡み合っているのにもうならされます。
人物の造形もなかなか面白いですし…。
正直なところ、主人公のトビーよりもデリクやロジャーの方が良く書けている感じがします。
特にデリク。40過ぎのオジサンなのに、読んでいるとどうしてもローティーンに思えてしまうんですが、彼のなんとも憎めない人柄がそんなところに良く出ているようで、個人的にはOKでした。
次回作はまた過去と現在が交錯するストーリーらしいので楽しみですが、これはこれで良かったかなぁと思います。
年に一度のお楽しみ、ゴダードの新作が今年も発売されました。
ここ数年、著しく作品のスタイルが変化している(そしてそれがあまり成功しているとは言えないものが多かった)ゴダードですが、今度の作品も得意の現在と過去の交錯が取り払われた作品で、8日間という短い期間に、しかもブライトンという街の中だけで起きた出来事が描かれている点が異色。更に、サスペンス性も強い作品でした。
サスペンス性が強いと言えば「秘められた伝言」もそうでしたが、あれが単にジェットコースター・ムービーみたいな味も素っ気も無い、他の作家にも書けるような作品だったのに比べると、今回の作品の方がゴダードらしい雰囲気が良く出ていると思います。
過去を扱った作品の重厚さは無いものの、ストーリーはさすがによく練られていています。次から次へと意外な展開で読み手を飽きさせませんし、次々起きる事件のどれもが裏で複雑に絡み合っているのにもうならされます。
人物の造形もなかなか面白いですし…。
正直なところ、主人公のトビーよりもデリクやロジャーの方が良く書けている感じがします。
特にデリク。40過ぎのオジサンなのに、読んでいるとどうしてもローティーンに思えてしまうんですが、彼のなんとも憎めない人柄がそんなところに良く出ているようで、個人的にはOKでした。
次回作はまた過去と現在が交錯するストーリーらしいので楽しみですが、これはこれで良かったかなぁと思います。
by yuiga28
| 2006-02-17 16:06
| Book ミステリー