「ゆめこ縮緬」 皆川博子 集英社文庫
2005年 06月 02日
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大正から昭和初期と思しき時代を背景にして描かれた8編からなる短編集。
皆川さんの歴史絡みのものばかり読んで来たが、純然たる幻想モノは初めて。実はこの系統、あまり得意ではないから、もしかしたら途中で放り出してしまうかも…と思いつつ読み始めたのだが、これが読んでみると読み終わるのが惜しくなるほどのめり込んでしまった。
幻想モノというと、ふわふわとしたとらえどころが無い、荒唐無稽過ぎてついて行けない、退廃的で腐臭さえしそう、そんな印象を持っていたのだが、これは確かに退廃の香りはするものの、どこか凛としたものがあり、そして、愛おしささえ感じられる作品で、まさに酔いしれたという感じ。
物凄く現実離れしているというわけでなくて、奇想で読ませてしまうので、幻想モノは苦手な私でも大丈夫だったんだと思う。
でも……
大正から昭和初期と思しき時代を背景にして描かれた8編からなる短編集。
皆川さんの歴史絡みのものばかり読んで来たが、純然たる幻想モノは初めて。実はこの系統、あまり得意ではないから、もしかしたら途中で放り出してしまうかも…と思いつつ読み始めたのだが、これが読んでみると読み終わるのが惜しくなるほどのめり込んでしまった。
幻想モノというと、ふわふわとしたとらえどころが無い、荒唐無稽過ぎてついて行けない、退廃的で腐臭さえしそう、そんな印象を持っていたのだが、これは確かに退廃の香りはするものの、どこか凛としたものがあり、そして、愛おしささえ感じられる作品で、まさに酔いしれたという感じ。
物凄く現実離れしているというわけでなくて、奇想で読ませてしまうので、幻想モノは苦手な私でも大丈夫だったんだと思う。
でも……
血の雫が地に落ちると、小さい地蔵がそこに生えたは、す、凄過ぎ!!!(「桔梗闇」より)
by yuiga28
| 2005-06-02 23:02
| Book 小説