「マーシーの夏」 ドロシー・ギルマン 集英社文庫
2005年 05月 19日
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ドロシー・ギルマンと言えば「おばちゃまは飛び入りスパイ」に始まる<ミセス・ポリファックスシリーズ>が人気だが、非シリーズにも良い作品がある。
同じく熟年のご婦人が主人公の<マダム・カリツカシリーズ>(と言っても2冊だけだが)も良い。彼女の方が実は”おばちゃま”より好きだったりする。お転婆なおばちゃまと違って、マダム・カリツカは伯爵夫人だけに(でも、お金持ちじゃない、けど超能力を持っている)おっとりとしたお人柄で、作品もしみじみとした温かさが漂っているのだ。それが好き。
両親を亡くし、対人恐怖症で長年入院していて、やっと一人暮らしが出来るようになった22歳のアメリア・ジョーンズが、出会ってしまった事件を解決しながら自らを再生させて行く物語「アメリア・ジョーンズの冒険」も物凄く良い。温かくって優しくて爽やかで、そして読んでいると元気が出る。
これら2つは<コージー・ミステリー>に属する作品だが、どちらも傷ついた人間に対しての著者の温かな視線が感じられる。
今回読んだ作品はミステリーではなく、純然たる青春小説で、50年以上も前にまだ著者が<ミセス・ポリファックスシリーズ>を発表する前の無名時代(名義も違って、本名のDorothy Gilman Buttersを使っている)の作品で、ヤングアダルト向けに書かれたものだが、作品の独特な温かさと爽やかさは既にある。と言うか、純粋な青春小説だけに、それがもっとストレートに伝わって来る。
近年になって見直されて来た、Dorothy Gilman Butters名義の青春小説は4作品ほどあるそうで、昨年出た「キャノン姉妹の一年」がそれを日本に紹介する第1弾で、今回の作品が第2弾。あと2作品は楽しめるらしい。
来年が待ち遠しいなぁ。
TBしています:
「マーシーの夏」 ドロシー・ギルマン( ☆とまとの読書記録☆さま)
ドロシー・ギルマンと言えば「おばちゃまは飛び入りスパイ」に始まる<ミセス・ポリファックスシリーズ>が人気だが、非シリーズにも良い作品がある。
同じく熟年のご婦人が主人公の<マダム・カリツカシリーズ>(と言っても2冊だけだが)も良い。彼女の方が実は”おばちゃま”より好きだったりする。お転婆なおばちゃまと違って、マダム・カリツカは伯爵夫人だけに(でも、お金持ちじゃない、けど超能力を持っている)おっとりとしたお人柄で、作品もしみじみとした温かさが漂っているのだ。それが好き。
両親を亡くし、対人恐怖症で長年入院していて、やっと一人暮らしが出来るようになった22歳のアメリア・ジョーンズが、出会ってしまった事件を解決しながら自らを再生させて行く物語「アメリア・ジョーンズの冒険」も物凄く良い。温かくって優しくて爽やかで、そして読んでいると元気が出る。
これら2つは<コージー・ミステリー>に属する作品だが、どちらも傷ついた人間に対しての著者の温かな視線が感じられる。
今回読んだ作品はミステリーではなく、純然たる青春小説で、50年以上も前にまだ著者が<ミセス・ポリファックスシリーズ>を発表する前の無名時代(名義も違って、本名のDorothy Gilman Buttersを使っている)の作品で、ヤングアダルト向けに書かれたものだが、作品の独特な温かさと爽やかさは既にある。と言うか、純粋な青春小説だけに、それがもっとストレートに伝わって来る。
近年になって見直されて来た、Dorothy Gilman Butters名義の青春小説は4作品ほどあるそうで、昨年出た「キャノン姉妹の一年」がそれを日本に紹介する第1弾で、今回の作品が第2弾。あと2作品は楽しめるらしい。
来年が待ち遠しいなぁ。
TBしています:
「マーシーの夏」 ドロシー・ギルマン( ☆とまとの読書記録☆さま)
by yuiga28
| 2005-05-19 15:40
| Book 小説