「家守綺譚」 梨木香歩 新潮社
2005年 04月 13日
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近頃、こんなにも読書の愉しみを実感させてくれた本は他にない。読み終わるのが惜しいくらいだったが、読み心地が良くてスルスルと読めてしまい、2時間程度で読み終えてしまった。読み終えてすぐに、特に気に入った箇所をまた読み返してしまった。普段は殆どそんな事は無く、読み終えたらさっさと次の本を手にするのだが・・・。
扱われている題材は柳田國男の『遠野物語』の世界の住人たち、文体から受ける感じや主人公・綿貫の生活やそれを取り巻く環境は、明治か大正のころの小説のよう。だからと言って古臭さはなく、懐かしさや長閑さだけがうまく残っている感じだ。短い28の章の題それぞれに植物の名が冠されていたり、植物が印象的に使われているのが如何にも梨木香歩らしい。
河童に遭遇しても、狸に化かされても、とりあえず驚くものの、周囲の人たちが当然のように受け止めてしまうと、「ああ、そんなものか。」とすぐに納得してしまう綿貫。周囲の人たちが異常なのか、綿貫が物知らずなのか、判断が付きかねる状況が妙に可笑しく、驚いては何となく納得してしまうを繰り返す綿貫の反応も回を重ねるごとに諧謔のツボになって来る。そして、彼らみんなの、この大らかさ、延いては物語全体の大らかさには、坂田靖子のコミックと共通するものを感じた。(坂田靖子は大好きな漫画家さんの一人!)
著者自身、「こんなものもあるんだ」と受け止めて欲しいと言っているように、この作品は理屈抜きに愉しめば良いと思う。その言葉に従い、理屈抜きに読めば、これほど愉しく、そして懐かしい物語はない。
この中に登場する土耳古(トルコ)に行った友人・村田の話が、どうやら「村田エフェンディ滞土録」となるらしい。しかも、その著述には綿貫が係わっている?・・・という事で早速こちらを注文しようと思ったのだが、品切れ・・・。( ̄▽ ̄;)!!ガーン
まあ、すぐに増版されるはずだと思われるが、ちょっと脱力。
代わりに(?)「丹生都比売」を注文してしまった。(すぐには来ないみたい。(T▽T))
珍しく歴史モノ、しかも草壁皇子が主人公とかで、こちらも非常に楽しみだ。
近頃、こんなにも読書の愉しみを実感させてくれた本は他にない。読み終わるのが惜しいくらいだったが、読み心地が良くてスルスルと読めてしまい、2時間程度で読み終えてしまった。読み終えてすぐに、特に気に入った箇所をまた読み返してしまった。普段は殆どそんな事は無く、読み終えたらさっさと次の本を手にするのだが・・・。
扱われている題材は柳田國男の『遠野物語』の世界の住人たち、文体から受ける感じや主人公・綿貫の生活やそれを取り巻く環境は、明治か大正のころの小説のよう。だからと言って古臭さはなく、懐かしさや長閑さだけがうまく残っている感じだ。短い28の章の題それぞれに植物の名が冠されていたり、植物が印象的に使われているのが如何にも梨木香歩らしい。
河童に遭遇しても、狸に化かされても、とりあえず驚くものの、周囲の人たちが当然のように受け止めてしまうと、「ああ、そんなものか。」とすぐに納得してしまう綿貫。周囲の人たちが異常なのか、綿貫が物知らずなのか、判断が付きかねる状況が妙に可笑しく、驚いては何となく納得してしまうを繰り返す綿貫の反応も回を重ねるごとに諧謔のツボになって来る。そして、彼らみんなの、この大らかさ、延いては物語全体の大らかさには、坂田靖子のコミックと共通するものを感じた。(坂田靖子は大好きな漫画家さんの一人!)
著者自身、「こんなものもあるんだ」と受け止めて欲しいと言っているように、この作品は理屈抜きに愉しめば良いと思う。その言葉に従い、理屈抜きに読めば、これほど愉しく、そして懐かしい物語はない。
この中に登場する土耳古(トルコ)に行った友人・村田の話が、どうやら「村田エフェンディ滞土録」となるらしい。しかも、その著述には綿貫が係わっている?・・・という事で早速こちらを注文しようと思ったのだが、品切れ・・・。( ̄▽ ̄;)!!ガーン
まあ、すぐに増版されるはずだと思われるが、ちょっと脱力。
代わりに(?)「丹生都比売」を注文してしまった。(すぐには来ないみたい。(T▽T))
珍しく歴史モノ、しかも草壁皇子が主人公とかで、こちらも非常に楽しみだ。
by yuiga28
| 2005-04-13 18:36
| Book 小説