「朱」 森真沙子 ハルキ・ホラー文庫
2005年 04月 02日
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聖徳太子の時代を題材にしたホラー・ミステリーなのだが、”ホラー”も月並みなら”ミステリー”も月並み、扱っている時代も馴染みのある時代で新鮮さは無い。
しかし・・・これが読まされちゃうのだ!!!
月並みだと感じるのは読み終わってからで、読んでいる最中は、もう、グイグイグイグイ! 夢中で読んでしまった。
登場人物がまた同じ様な感覚で、読んでいる最中は物凄く惚れ込んでしまう。でも、読み終わって改めて考えてみると、その魅力がステレオタイプなのに気が付く。
だから、読み終わると、”あの興奮は何だったのかな~?”と言う感じ。
この人の最新作(と言っても発表されて1年になるが)「廃帝」は長いこと心底気に入ったと言える歴史小説に出会えずにいた私にとって、出会えたことが嬉しくって涙してしまったくらい(ホントの話)気に入ってしまった作品なのだが、それに比べると今回の作品は同一人物が書いたのか?と疑いたくなる。
勿論、「廃帝」は本格歴史小説で非常に真摯な内容の格調の高い作品。扱っている人物も光厳天皇という、殆ど聞いたことも無いような地味な人物。それと、このホラー・ミステリーとして作られた作品を同じものさしで測る方が間違ってるんだと思うが・・・。
まるでイモムシが蝶に脱皮したくらいの差を感じる。でも、”読ませる”という技術にはその片鱗が見えるかも・・・。
読後何も残らないが、読んでいる間の楽しさはなかなかのモノ。娯楽作品としてはこれで良いのかなーと・・・。
聖徳太子の時代を題材にしたホラー・ミステリーなのだが、”ホラー”も月並みなら”ミステリー”も月並み、扱っている時代も馴染みのある時代で新鮮さは無い。
しかし・・・これが読まされちゃうのだ!!!
月並みだと感じるのは読み終わってからで、読んでいる最中は、もう、グイグイグイグイ! 夢中で読んでしまった。
登場人物がまた同じ様な感覚で、読んでいる最中は物凄く惚れ込んでしまう。でも、読み終わって改めて考えてみると、その魅力がステレオタイプなのに気が付く。
だから、読み終わると、”あの興奮は何だったのかな~?”と言う感じ。
この人の最新作(と言っても発表されて1年になるが)「廃帝」は長いこと心底気に入ったと言える歴史小説に出会えずにいた私にとって、出会えたことが嬉しくって涙してしまったくらい(ホントの話)気に入ってしまった作品なのだが、それに比べると今回の作品は同一人物が書いたのか?と疑いたくなる。
勿論、「廃帝」は本格歴史小説で非常に真摯な内容の格調の高い作品。扱っている人物も光厳天皇という、殆ど聞いたことも無いような地味な人物。それと、このホラー・ミステリーとして作られた作品を同じものさしで測る方が間違ってるんだと思うが・・・。
まるでイモムシが蝶に脱皮したくらいの差を感じる。でも、”読ませる”という技術にはその片鱗が見えるかも・・・。
読後何も残らないが、読んでいる間の楽しさはなかなかのモノ。娯楽作品としてはこれで良いのかなーと・・・。
by yuiga28
| 2005-04-02 06:29
| Book 歴史