「墨攻」 酒見賢一 新潮文庫
2005年 04月 01日
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酒見賢一の作品は久しぶり。何しろ、前に読んだのは第1回ファンタジーノベル大賞が決まった直後に「後宮小説」を読んで以来なのだから。こちらを読んだのは中国が題材と言う方に興味を惹かれてのことで、”ファンタジー”であることは全く気に掛けなかったのだが、読んでみたらファンタジー色の強さに唖然。(ファンタジーノベル大賞を取った作品なんだから当然なのだが・・・。^^;)色っぽい内容にも呆然。別に色っぽいのが苦手と言うわけじゃなくて、大賞受賞作品はTVアニメ化されると聞いていたから。あれをTVアニメにするのか!?・・・と、他人事ながら心配してしまったわけで・・・。でも、アニメ「雲のように風のように」も上手にアレンジしてあって、これはこれで良い作品になっていたっけ。
本編の方も、驚きから立ち直ればちゃんと楽しめる作品だった。
しかし、その後この「墨攻」が直木賞候補にあがって評判になる頃には中国熱はすっかり冷め、読もうという気は起きなかった。それが14年後の今、またちょっと中国熱(実は水滸熱と言った方がいいのだが)が再燃して、読んでみようと思ったわけだ。50円だったし。(爆)
で、やっと本題。
まずは墨子教団に驚き!
思想集団にして戦闘集団で、それが非攻思想の正しさを身を持って証明するための手段だというのだから、やっぱり中国って奥が深い。
墨子教団から派遣された革離が孤軍奮闘して小国・梁を大国・趙の侵略から守る戦いは読み応えがあるが、それよりも興味深いのは、梁の若様・適との対立だった。主人公・革離に反抗的な梁適なのに、段々と彼の方に心情的には味方したくなってしまった。彼の方が人間的で自然な感情に思えてしまうのだ。
非攻思想をはじめ墨子の思想はその思想自体は理想的だが、その実践はもともとの思想からは乖離し、矛盾さえしているように思える。それを匂わせるような書き方がされているように感じるのは私だけだろうか?
酒見賢一の作品は久しぶり。何しろ、前に読んだのは第1回ファンタジーノベル大賞が決まった直後に「後宮小説」を読んで以来なのだから。こちらを読んだのは中国が題材と言う方に興味を惹かれてのことで、”ファンタジー”であることは全く気に掛けなかったのだが、読んでみたらファンタジー色の強さに唖然。(ファンタジーノベル大賞を取った作品なんだから当然なのだが・・・。^^;)色っぽい内容にも呆然。別に色っぽいのが苦手と言うわけじゃなくて、大賞受賞作品はTVアニメ化されると聞いていたから。あれをTVアニメにするのか!?・・・と、他人事ながら心配してしまったわけで・・・。でも、アニメ「雲のように風のように」も上手にアレンジしてあって、これはこれで良い作品になっていたっけ。
本編の方も、驚きから立ち直ればちゃんと楽しめる作品だった。
しかし、その後この「墨攻」が直木賞候補にあがって評判になる頃には中国熱はすっかり冷め、読もうという気は起きなかった。それが14年後の今、またちょっと中国熱(実は水滸熱と言った方がいいのだが)が再燃して、読んでみようと思ったわけだ。50円だったし。(爆)
で、やっと本題。
まずは墨子教団に驚き!
思想集団にして戦闘集団で、それが非攻思想の正しさを身を持って証明するための手段だというのだから、やっぱり中国って奥が深い。
墨子教団から派遣された革離が孤軍奮闘して小国・梁を大国・趙の侵略から守る戦いは読み応えがあるが、それよりも興味深いのは、梁の若様・適との対立だった。主人公・革離に反抗的な梁適なのに、段々と彼の方に心情的には味方したくなってしまった。彼の方が人間的で自然な感情に思えてしまうのだ。
非攻思想をはじめ墨子の思想はその思想自体は理想的だが、その実践はもともとの思想からは乖離し、矛盾さえしているように思える。それを匂わせるような書き方がされているように感じるのは私だけだろうか?
by yuiga28
| 2005-04-01 20:32
| Book 歴史