「王都妖奇譚」(全7巻) 岩崎陽子 秋田文庫
2005年 03月 18日
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15日の日記に1巻を読んでガッカリしたようなことを書いたが、その後も律儀に読みましたよ。
読んで良かった!
3巻目くらいから俄然面白くなった。
一つに、一話完結で物凄く安直なストーリー展開だったのが、仇敵が登場して、何章にもまたがる長い逸話が描かれるようになり、筋も二転三転する起伏に富んだものになったこと。
もう一つは魅力的な脇役がドンドンと登場して来たから。
しかし・・・
安倍晴明が主役で、妖(あやかし)や怪異を扱っているわりには明るい雰囲気が漂っている。それが悪いと言うわけじゃなくて、個人的には嫌いじゃないけれど・・・。特にコミカルな部分は程も良くて好きだし。
要は、晴明のキャラクターがイマイチなのだ。魅力的なんだけど、どこか物足りない。仇敵の登場で、晴明の懊悩も描かれるようになって、初めに感じたよりはずっと厚みは出て来たものの、やっぱりちょっと明る過ぎやしない?
それに敵役の影連(かげつら)の絶望感や心の闇の深さの描き方も物足りない。悪役だけど哀れな人で、だから愛情込めて描いてるからなのかもしれないけれど、心の闇が描ききれていない分、晴明とのコントラストが今一つ生きて来ない。
でも、最初の1巻だけ読んだ時よりはずっと印象は良くなった。
これが作者にとっての初の長期連載モノで、連載開始から終了まで足掛け10年。その間にぐんと巧くなっていることは感じられる。(実は、これを書いている時点で「新撰組異録-無頼-」の方も読了。更に巧くなっているのを知ってる。)
15日の日記に1巻を読んでガッカリしたようなことを書いたが、その後も律儀に読みましたよ。
読んで良かった!
3巻目くらいから俄然面白くなった。
一つに、一話完結で物凄く安直なストーリー展開だったのが、仇敵が登場して、何章にもまたがる長い逸話が描かれるようになり、筋も二転三転する起伏に富んだものになったこと。
もう一つは魅力的な脇役がドンドンと登場して来たから。
しかし・・・
安倍晴明が主役で、妖(あやかし)や怪異を扱っているわりには明るい雰囲気が漂っている。それが悪いと言うわけじゃなくて、個人的には嫌いじゃないけれど・・・。特にコミカルな部分は程も良くて好きだし。
要は、晴明のキャラクターがイマイチなのだ。魅力的なんだけど、どこか物足りない。仇敵の登場で、晴明の懊悩も描かれるようになって、初めに感じたよりはずっと厚みは出て来たものの、やっぱりちょっと明る過ぎやしない?
それに敵役の影連(かげつら)の絶望感や心の闇の深さの描き方も物足りない。悪役だけど哀れな人で、だから愛情込めて描いてるからなのかもしれないけれど、心の闇が描ききれていない分、晴明とのコントラストが今一つ生きて来ない。
でも、最初の1巻だけ読んだ時よりはずっと印象は良くなった。
これが作者にとっての初の長期連載モノで、連載開始から終了まで足掛け10年。その間にぐんと巧くなっていることは感じられる。(実は、これを書いている時点で「新撰組異録-無頼-」の方も読了。更に巧くなっているのを知ってる。)
by yuiga28
| 2005-03-18 22:31
| Book コミック