「新釈 水滸伝」(上下) 津本 陽 角川文庫
2005年 03月 07日
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これは良い!
原典そのものの良さを忠実に伝えようという意欲が伝わって来る。
張青・孫二娘夫婦を”悪事も働くが義侠心のある夫婦”と書いているが、これですよ、これ! これこそが好漢の好漢たる所以であって、止むに止まれぬ事情以外では一切悪事には手を染めさせない「悲華」が水滸の世界を描ききれていないと感じる最大の要因はこの好漢と言うものに対する感覚の差なのだ。
この点をきっちりとあるがままに描いているこの作品は「水滸伝」の翻訳小説としては駒田信二訳に匹敵する良書と言って良いと思う。
ただ、個人的な好みから言えば、文体がイマイチ。短い文章=テンポが良いとは限らないようで、ブツブツ途切れる文章は逆に読みづらかった。それでもいつの間にか慣れてしまったが・・・。
最大の難点は未完だということ。
46回の途中という物凄く半端なところで無理矢理終わらせている。(どうやら、新聞連載が突如打ち切りになったらしい。)
ちゃんと終わっていれば超オススメなのだが。
これは良い!
原典そのものの良さを忠実に伝えようという意欲が伝わって来る。
張青・孫二娘夫婦を”悪事も働くが義侠心のある夫婦”と書いているが、これですよ、これ! これこそが好漢の好漢たる所以であって、止むに止まれぬ事情以外では一切悪事には手を染めさせない「悲華」が水滸の世界を描ききれていないと感じる最大の要因はこの好漢と言うものに対する感覚の差なのだ。
この点をきっちりとあるがままに描いているこの作品は「水滸伝」の翻訳小説としては駒田信二訳に匹敵する良書と言って良いと思う。
ただ、個人的な好みから言えば、文体がイマイチ。短い文章=テンポが良いとは限らないようで、ブツブツ途切れる文章は逆に読みづらかった。それでもいつの間にか慣れてしまったが・・・。
最大の難点は未完だということ。
46回の途中という物凄く半端なところで無理矢理終わらせている。(どうやら、新聞連載が突如打ち切りになったらしい。)
ちゃんと終わっていれば超オススメなのだが。
by yuiga28
| 2005-03-07 09:34
| Book 歴史