「漂泊者のアリア」 古川 薫 文春文庫
2005年 02月 18日
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またまた、本音ぶっちゃけデス。
藤原義江という人・・・ハーフで、藤原歌劇団(現:財団法人日本オペラ振興会)を創設した”世界的に有名なオペラ歌手”だという事くらいは知っていた。でも、ただそれだけで、具体的な業績なんて全く知らず、それどころか歌声すら聞いた事が無い。
この本を読むと、何でも日本で初めて<ビクターの赤版歌手>(・・・って、なに?)になった人で、イタリアやフランスなどで勲章までもらった人だそうだ。だから本当に凄い歌手なのかも知れない。けど、御年80歳の著者ならピンと来る(輝かしい業績や有名な美声、丹精なマスクなど)”藤原義江”という名前に、こちらは全然ピンと来ない。
だから、”人間・藤原義江”に重点を置いて描かれているこの作品を読む限りだと、藤原義江という人がタダのダメ男としか受け取れないのだ。
勿論、彼の悲惨な生い立ちやそれがその後の人生に落とした影には同情も出来るし、読んでいても引き込まれるのだが・・・。
留学費用も行く前に大盤振る舞いして使い切ってしまうという浪費癖。それに加えて、折角の本場での声楽の勉強も色恋沙汰にうつつをぬかしていて身が入らず、挙げ句の果てに日本の愛人にせがまれれば飛んで帰って来てしまうというだらしなさ。籍が入ったままの妻の死も知らず、<母、危篤>の知らせを受けても愛人のご機嫌を取るために観劇を優先して結局は駆けつけもせず・・・。
破滅型の芸術家だと言ってしまえばそれまでだが、その”芸術”がどれ程ものだったのかわからないから、こんなにも本業の声楽を疎かにしている様子ばかり書かれると、彼の声楽に対する情熱って?・・・と首を捻りたくなってしまう。
でも、ここで書かれているような業績を残したのなら、声楽や、日本にオペラを根付かせようとする情熱もそれ相応に持ち合わせていたハズだろうに・・・。
それを知るべくネットで検索しても、彼の業績を扱ったサイトは物凄く少ない。そしてその殆どが日本の抒情歌や軍歌についてで、オペラ歌手としての業績はサッパリわからない。ある時期、日本人に大変親しまれた歌手であることは間違いないようだが、それすらも今は忘れ去られようとしている・・・と言った感じで、それもまた侘しい。
同様に、この作品自体も、藤原義江を知らない世代が増えるに従って指示されなくなるだろうなと感じる。
またまた、本音ぶっちゃけデス。
藤原義江という人・・・ハーフで、藤原歌劇団(現:財団法人日本オペラ振興会)を創設した”世界的に有名なオペラ歌手”だという事くらいは知っていた。でも、ただそれだけで、具体的な業績なんて全く知らず、それどころか歌声すら聞いた事が無い。
この本を読むと、何でも日本で初めて<ビクターの赤版歌手>(・・・って、なに?)になった人で、イタリアやフランスなどで勲章までもらった人だそうだ。だから本当に凄い歌手なのかも知れない。けど、御年80歳の著者ならピンと来る(輝かしい業績や有名な美声、丹精なマスクなど)”藤原義江”という名前に、こちらは全然ピンと来ない。
だから、”人間・藤原義江”に重点を置いて描かれているこの作品を読む限りだと、藤原義江という人がタダのダメ男としか受け取れないのだ。
勿論、彼の悲惨な生い立ちやそれがその後の人生に落とした影には同情も出来るし、読んでいても引き込まれるのだが・・・。
留学費用も行く前に大盤振る舞いして使い切ってしまうという浪費癖。それに加えて、折角の本場での声楽の勉強も色恋沙汰にうつつをぬかしていて身が入らず、挙げ句の果てに日本の愛人にせがまれれば飛んで帰って来てしまうというだらしなさ。籍が入ったままの妻の死も知らず、<母、危篤>の知らせを受けても愛人のご機嫌を取るために観劇を優先して結局は駆けつけもせず・・・。
破滅型の芸術家だと言ってしまえばそれまでだが、その”芸術”がどれ程ものだったのかわからないから、こんなにも本業の声楽を疎かにしている様子ばかり書かれると、彼の声楽に対する情熱って?・・・と首を捻りたくなってしまう。
でも、ここで書かれているような業績を残したのなら、声楽や、日本にオペラを根付かせようとする情熱もそれ相応に持ち合わせていたハズだろうに・・・。
それを知るべくネットで検索しても、彼の業績を扱ったサイトは物凄く少ない。そしてその殆どが日本の抒情歌や軍歌についてで、オペラ歌手としての業績はサッパリわからない。ある時期、日本人に大変親しまれた歌手であることは間違いないようだが、それすらも今は忘れ去られようとしている・・・と言った感じで、それもまた侘しい。
同様に、この作品自体も、藤原義江を知らない世代が増えるに従って指示されなくなるだろうなと感じる。
by yuiga28
| 2005-02-18 14:01
| Book 小説