「悲華水滸伝」(全5巻) 杉本苑子 中公文庫 <再読>
2005年 02月 14日
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HPの方では客観的に(ホント?)書いて★も4つつけたけど(HPのリニューアルが終わったらリンク貼ります)、こっちではちょっと本音を・・・。
文庫化された時(2001.5~9)に一度読んで、今回は再読。
その時は更に数年前に読んだ駒田信二訳の内容もかなり忘れていたので、それほど違和感も感じず、どちらかと言うと「杉本さんはやっぱり凄いな~。」と感じる方が強かったのだが・・・。
やっぱ、これって水滸じゃないよね~。
武松が禁酒!? 王定六が官軍の将!? 時遷が忍びの術を使う牢役人???
人殺し大好きの李逵がすっかり牙を抜かれちゃってタダの頭が馬鹿な(戴院長:談)駄々っ子になっちゃってるし、孫二娘のしびれ薬は親孝行のためだってぇ~???
頭領の皆さん、みんな前身は良吏良民で悪事には手を染めたことなんて無く、ストイックでお上品・・・。泥棒もいれば、追いはぎ、山賊、密売人・・・前身は悪党って頭領もたくさんいるのに・・・。
みんな美形にされてるし、すぐに手に手を取り合って泣くし・・・宝塚みたいって言われても仕方ないかも。(;_;)
”○○クン”て呼び合うのもなんだかな~だし、”○○同志”ってのはもっといただけない。どこかの赤いお国が思い浮かんじゃう。
水滸が共産的って言う学説が一昔前の中国にはあったらしいけど、それは今では見向きもされてないとか・・・なのに、なんだがそんな感じが漂ってる。う~ん
水滸から切り離して読めばよく出来た時代小説だと思う。よくあそこまで小説としての水準を引き上げたなあ~と感心はする。
でも、良くも悪くもこれぞ水滸!って雰囲気は全く無くなってる。原作を除菌漂白剤に一昼夜浸けて、更によ~く水で晒した感じ。それってもう水滸じゃないよね。
雰囲気から言えば吉川英治の『新・水滸伝』の方がはるかに良く掴んでる。
『水滸伝』のそういう灰汁の強さが苦手という方にはオススメ。だけど、初めて読んで、「これが水滸か。」と思うのは大きな勘違いデス。
HPの方では客観的に(ホント?)書いて★も4つつけたけど(HPのリニューアルが終わったらリンク貼ります)、こっちではちょっと本音を・・・。
文庫化された時(2001.5~9)に一度読んで、今回は再読。
その時は更に数年前に読んだ駒田信二訳の内容もかなり忘れていたので、それほど違和感も感じず、どちらかと言うと「杉本さんはやっぱり凄いな~。」と感じる方が強かったのだが・・・。
やっぱ、これって水滸じゃないよね~。
武松が禁酒!? 王定六が官軍の将!? 時遷が忍びの術を使う牢役人???
人殺し大好きの李逵がすっかり牙を抜かれちゃってタダの頭が馬鹿な(戴院長:談)駄々っ子になっちゃってるし、孫二娘のしびれ薬は親孝行のためだってぇ~???
頭領の皆さん、みんな前身は良吏良民で悪事には手を染めたことなんて無く、ストイックでお上品・・・。泥棒もいれば、追いはぎ、山賊、密売人・・・前身は悪党って頭領もたくさんいるのに・・・。
みんな美形にされてるし、すぐに手に手を取り合って泣くし・・・宝塚みたいって言われても仕方ないかも。(;_;)
”○○クン”て呼び合うのもなんだかな~だし、”○○同志”ってのはもっといただけない。どこかの赤いお国が思い浮かんじゃう。
水滸が共産的って言う学説が一昔前の中国にはあったらしいけど、それは今では見向きもされてないとか・・・なのに、なんだがそんな感じが漂ってる。う~ん
水滸から切り離して読めばよく出来た時代小説だと思う。よくあそこまで小説としての水準を引き上げたなあ~と感心はする。
でも、良くも悪くもこれぞ水滸!って雰囲気は全く無くなってる。原作を除菌漂白剤に一昼夜浸けて、更によ~く水で晒した感じ。それってもう水滸じゃないよね。
雰囲気から言えば吉川英治の『新・水滸伝』の方がはるかに良く掴んでる。
『水滸伝』のそういう灰汁の強さが苦手という方にはオススメ。だけど、初めて読んで、「これが水滸か。」と思うのは大きな勘違いデス。
by yuiga28
| 2005-02-14 23:47
| Book 歴史