「戦国幻野」 皆川博子 講談社文庫
2005年 02月 03日
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実はこの本、ネットで題名だけ見て買った。「戦国幻野」ってところだけで、副題の「新・今川記」ってところは載って無かったので、手元に届いた時、正直なところ、「失敗した!」と思った。
今川義元って・・・白塗りに鉄漿(おはぐろ)で、輿から転げ落ちたところをバッサリ!・・・って、無様な印象しか無い。信長や秀吉に比べたら圧倒的に人気も無さそうだし、何で、選りに選ってこの人なんだか・・・?
今川義元なんて、全然興味無いぞ~~~!!!
しかも、伝奇モノならともかく、本格的な歴史小説っぽいし。困ったな~と・・・。
ところが・・・
これが良いのだ!
九英承菊がいい! 炸耶様もいい!
この2人、極端に対照的な人物なんだが、どちらにも凄く惹かれてしまった。
2人とも、世の中には知られていない義元の異腹の兄で、そのため屈折している。その屈折の仕方が全く違っていて、片や冷酷果敢、片や虚無的叙情的なのだが、そのどちらも心情的に理解出来るし、それぞれに切ない。
九英承菊は後に名乗りを変えて太原崇孚(通称:雪斎)となる。ご存知の方もいると思うが、名軍師・名将として名高い僧侶で、彼が存命なら今川も滅びなかったのでは?と言われる人物だとか。
この人を異父兄に仕立てたり、謎の人物”今川彦五郎”を組み込み、それと武田の軍師・山本勘助を結びつけたりと言った趣向も意外にしっくり来ている。
伝奇的な部分もちゃんとあって、それも浮く事無く、しかも、歴史小説としての読み応えバッチリ!
ガッカリ・・・一転、思わぬ拾い物の1冊だった。
でも、これ、単行本も文庫も重版未定・・・やっぱり、”今川”っていうのがネックなのか~?
TBしています:
「新・今川記 戦国幻夜」 皆川博子 (アジ子のアジは鯵ではない様)
実はこの本、ネットで題名だけ見て買った。「戦国幻野」ってところだけで、副題の「新・今川記」ってところは載って無かったので、手元に届いた時、正直なところ、「失敗した!」と思った。
今川義元って・・・白塗りに鉄漿(おはぐろ)で、輿から転げ落ちたところをバッサリ!・・・って、無様な印象しか無い。信長や秀吉に比べたら圧倒的に人気も無さそうだし、何で、選りに選ってこの人なんだか・・・?
今川義元なんて、全然興味無いぞ~~~!!!
しかも、伝奇モノならともかく、本格的な歴史小説っぽいし。困ったな~と・・・。
ところが・・・
これが良いのだ!
九英承菊がいい! 炸耶様もいい!
この2人、極端に対照的な人物なんだが、どちらにも凄く惹かれてしまった。
2人とも、世の中には知られていない義元の異腹の兄で、そのため屈折している。その屈折の仕方が全く違っていて、片や冷酷果敢、片や虚無的叙情的なのだが、そのどちらも心情的に理解出来るし、それぞれに切ない。
九英承菊は後に名乗りを変えて太原崇孚(通称:雪斎)となる。ご存知の方もいると思うが、名軍師・名将として名高い僧侶で、彼が存命なら今川も滅びなかったのでは?と言われる人物だとか。
この人を異父兄に仕立てたり、謎の人物”今川彦五郎”を組み込み、それと武田の軍師・山本勘助を結びつけたりと言った趣向も意外にしっくり来ている。
伝奇的な部分もちゃんとあって、それも浮く事無く、しかも、歴史小説としての読み応えバッチリ!
ガッカリ・・・一転、思わぬ拾い物の1冊だった。
でも、これ、単行本も文庫も重版未定・・・やっぱり、”今川”っていうのがネックなのか~?
TBしています:
「新・今川記 戦国幻夜」 皆川博子 (アジ子のアジは鯵ではない様)
by yuiga28
| 2005-02-03 06:02
| Book 歴史