「ザ・対決」 清水義範 講談社文庫
2005年 01月 25日
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これぞ好敵手!という組み合わせの対決を様々な形で見せてくれる短編10篇。
見るからに面白そうじゃありませんか!
そして、やっぱり面白い!
「六番勝負 ラーメンvs.カレーライス」…これには参った。
「明日の夕食はカレーライス。」と約束していたのに、奥さんは自分が食べたいラーメンに無断で変更してしまった。それから巻き起こる夫婦喧嘩が延々と描かれているのだが…。
「清水さん、アンタ、うちの夫婦喧嘩、見てたんかい!?」…愛香さんの台詞の殆どを私は吐いた。対するダンナは剛さんの言で対抗。
こんなトホホな喧嘩、我が家だけかと思ったのに…。いいや、これは家事を妻が一手に引き受けている夫婦の宿命なのかもしれない。決して埋まらない夫婦のミゾ。
こんな具合に、鋭い視点がキラリと光る短編がめじろ押しだ。しかも、1編1編違った趣向で対決を読ませてくれる。その多彩さはさすがだ。
清水作品には一時期ハマって、初期の作品は次から次へと殆ど読んだ。こんな面白い作家が居たんだと感激した。
しかし、続けざまにこれだけ読んでいると何だか虚しくなった。こういう本が本当に読みたい本なんだろうか?
清水義範は上手い。面白い。雑学も仕入れられるし、皮肉にはニヤリとさせられる。でも、情趣を感じない、余韻が残らない。感心はしても、感銘は受けない。
コメディだろうが、時代物だろうが、どれも才走っていて、ドライだ。それが心地良くもある反面、ハマっている自分が嫌になった。
決して嫌いじゃない。でも、以来、清水作品は気分転換にたま~に読む程度にしている。たまに読むぶんにはとても良い作家だと思えるから。
これぞ好敵手!という組み合わせの対決を様々な形で見せてくれる短編10篇。
■ 収 録 作 品 ■
一番勝負 ソクラテスvs.釈迦
二番勝負 シェイクスピアvs.近松門左衛門
三番勝負 ロビンソン・クルーソーvs.ガリヴァー
四番勝負 コーヒーvs.茶
五番勝負 桃太郎vs.金太郎
六番勝負 ラーメンvs.カレーライス
七番勝負 楊貴妃vs.クレオパトラ
八番勝負 空海vs.最澄
九番勝負 大岡越前守vs.遠山金四郎
十番勝負 紙vs.火薬vs.羅針盤
見るからに面白そうじゃありませんか!
そして、やっぱり面白い!
「六番勝負 ラーメンvs.カレーライス」…これには参った。
「明日の夕食はカレーライス。」と約束していたのに、奥さんは自分が食べたいラーメンに無断で変更してしまった。それから巻き起こる夫婦喧嘩が延々と描かれているのだが…。
「清水さん、アンタ、うちの夫婦喧嘩、見てたんかい!?」…愛香さんの台詞の殆どを私は吐いた。対するダンナは剛さんの言で対抗。
こんなトホホな喧嘩、我が家だけかと思ったのに…。いいや、これは家事を妻が一手に引き受けている夫婦の宿命なのかもしれない。決して埋まらない夫婦のミゾ。
こんな具合に、鋭い視点がキラリと光る短編がめじろ押しだ。しかも、1編1編違った趣向で対決を読ませてくれる。その多彩さはさすがだ。
清水作品には一時期ハマって、初期の作品は次から次へと殆ど読んだ。こんな面白い作家が居たんだと感激した。
しかし、続けざまにこれだけ読んでいると何だか虚しくなった。こういう本が本当に読みたい本なんだろうか?
清水義範は上手い。面白い。雑学も仕入れられるし、皮肉にはニヤリとさせられる。でも、情趣を感じない、余韻が残らない。感心はしても、感銘は受けない。
コメディだろうが、時代物だろうが、どれも才走っていて、ドライだ。それが心地良くもある反面、ハマっている自分が嫌になった。
決して嫌いじゃない。でも、以来、清水作品は気分転換にたま~に読む程度にしている。たまに読むぶんにはとても良い作家だと思えるから。
by yuiga28
| 2005-01-25 18:51
| Book 小説