「夜の闇を待ちながら」 レニー・エアース 講談社文庫
2005年 01月 24日
詳しい感想はこちら   掲載書籍INDEX
”ロバート・ゴダード絶賛!”のうたい文句に惹かれて読んだ。稀代のストーリー・テーラーと言われるゴダード(最近ちょっと失速?迷走?気味だが)だ。期待はいやがうえにも高まった。
看板に偽りなし!
一級の警察小説、サイコ・サスペンスであるだけでなく、第1次大戦に対する癒しと鎮魂の物語でもある、非常に出来の良い、骨格のしっかりした厚みのある作品だった。読み応え充分!
ゴダードの絶賛の理由の一つは、この作品が彼がこだわっているテーマの一つである第1次大戦を題材にしているためだと思う。それも大戦が社会や人間に落とした暗い影を描くだけでなく、癒しと鎮魂まで施している事に感銘を受けたのではないか。ゴダードの作品とは違い、こちらは最後には希望と安らぎすら感じられるのだ。扱われている事件自体は陰惨な猟奇殺人なのだが…。
この作品は2000年度フランス警察小説賞を受賞しているが、MWA賞、マカヴィティ賞、アンソニー賞最優秀長編賞など主要ミステリー3賞のノミネート作品でもあったそうで、この作品を差し置いてどんな作品が受賞したのか、と騒がれたとか。それも頷ける。
受賞作を読んだわけじゃないが、ここまでよく出来たミステリーにはあまりお目に掛かった事がない。ミステリー的な部分以外の充実ぶりと当のミステリー的な部分が上手く噛み合っていて、印象深い作品に仕上がっている。
他の作品も読んでみたいと思ったが、著者のエアースは稀に見る寡作家で、1969年に「赤ちゃんはプロフェッショナル」という作品(こちらも評判は良かったらしい)を書いて以来の作品が1999年発表の本作品だと言うのだから驚く。
続編が書かれているらしいのだが、それはまだ翻訳されていないようで…。それが出ることを祈りつつ、ひたすら待つしかないようだ。
”ロバート・ゴダード絶賛!”のうたい文句に惹かれて読んだ。稀代のストーリー・テーラーと言われるゴダード(最近ちょっと失速?迷走?気味だが)だ。期待はいやがうえにも高まった。
看板に偽りなし!
一級の警察小説、サイコ・サスペンスであるだけでなく、第1次大戦に対する癒しと鎮魂の物語でもある、非常に出来の良い、骨格のしっかりした厚みのある作品だった。読み応え充分!
ゴダードの絶賛の理由の一つは、この作品が彼がこだわっているテーマの一つである第1次大戦を題材にしているためだと思う。それも大戦が社会や人間に落とした暗い影を描くだけでなく、癒しと鎮魂まで施している事に感銘を受けたのではないか。ゴダードの作品とは違い、こちらは最後には希望と安らぎすら感じられるのだ。扱われている事件自体は陰惨な猟奇殺人なのだが…。
この作品は2000年度フランス警察小説賞を受賞しているが、MWA賞、マカヴィティ賞、アンソニー賞最優秀長編賞など主要ミステリー3賞のノミネート作品でもあったそうで、この作品を差し置いてどんな作品が受賞したのか、と騒がれたとか。それも頷ける。
受賞作を読んだわけじゃないが、ここまでよく出来たミステリーにはあまりお目に掛かった事がない。ミステリー的な部分以外の充実ぶりと当のミステリー的な部分が上手く噛み合っていて、印象深い作品に仕上がっている。
他の作品も読んでみたいと思ったが、著者のエアースは稀に見る寡作家で、1969年に「赤ちゃんはプロフェッショナル」という作品(こちらも評判は良かったらしい)を書いて以来の作品が1999年発表の本作品だと言うのだから驚く。
続編が書かれているらしいのだが、それはまだ翻訳されていないようで…。それが出ることを祈りつつ、ひたすら待つしかないようだ。
by yuiga28
| 2005-01-24 08:59
| Book ミステリー