「受精」 帚木蓬生 角川文庫
2005年 01月 09日
詳しい感想はこちら   掲載書籍INDEX
無意識に選んだのだが、年初の1冊は去年を象徴するかのように帚木蓬生さんの作品だった。
去年出会った作家さんの中で一番ハマったのがこの方の作品。題材的に興味のあるものが多く、殆どハズレが無い。第一、古本で手に入り易い。(良いんだか悪いんだかビミョウ。)
ところが・・・
この作品はハズレかと思った。
読めども読めども、主人公・舞子と死んだ恋人の話・・・恋愛モノが苦手なものにとっては辛い内容だった。”押し寄せる感動。衝撃のラスト!”と文庫の背表紙にはあるが、それが物語がどんな展開を見せての末なのかは全然わからない説明文で、恋愛話だけで終わったらどうしよう・・・と心配してしまった。
でも、”衝撃のラスト”に偽り無し!
これもまた、医療サスペンスだった。
サスペンスと銘打ちながらサスペンス色が薄いのが帚木作品の特徴のように何度も書いて来たが、この作品は紛れも無くサスペンスだ! 後半に差し掛かるとサスペンスの要素がドンドン濃くなり、最後には本当に衝撃的なラストが用意されている。
このラストの衝撃は男性よりも女性の方がより強く感じると思う。ところが、同じように強い衝撃を受けたであろう舞子たちのそれが意外にあっさりと扱われているのに、ちょっと不満が残った。その衝撃から立ち直る過程が描かれていないため、こちらの感情も消化不良で、そのため、感動的なはずのラストが受け入れ難いものに思えてしまう。
とは言え、題材となっている事件自体は衝撃的で非常に興味深いものだ。始めの個人的な恋愛話からは想像もつかない事件で、その点では良い意味で予想を裏切ってくれた。
ラストに弱さは気になるものの、それを除けば読み応えのある作品だ。
無意識に選んだのだが、年初の1冊は去年を象徴するかのように帚木蓬生さんの作品だった。
去年出会った作家さんの中で一番ハマったのがこの方の作品。題材的に興味のあるものが多く、殆どハズレが無い。第一、古本で手に入り易い。(良いんだか悪いんだかビミョウ。)
ところが・・・
この作品はハズレかと思った。
読めども読めども、主人公・舞子と死んだ恋人の話・・・恋愛モノが苦手なものにとっては辛い内容だった。”押し寄せる感動。衝撃のラスト!”と文庫の背表紙にはあるが、それが物語がどんな展開を見せての末なのかは全然わからない説明文で、恋愛話だけで終わったらどうしよう・・・と心配してしまった。
でも、”衝撃のラスト”に偽り無し!
これもまた、医療サスペンスだった。
サスペンスと銘打ちながらサスペンス色が薄いのが帚木作品の特徴のように何度も書いて来たが、この作品は紛れも無くサスペンスだ! 後半に差し掛かるとサスペンスの要素がドンドン濃くなり、最後には本当に衝撃的なラストが用意されている。
このラストの衝撃は男性よりも女性の方がより強く感じると思う。ところが、同じように強い衝撃を受けたであろう舞子たちのそれが意外にあっさりと扱われているのに、ちょっと不満が残った。その衝撃から立ち直る過程が描かれていないため、こちらの感情も消化不良で、そのため、感動的なはずのラストが受け入れ難いものに思えてしまう。
とは言え、題材となっている事件自体は衝撃的で非常に興味深いものだ。始めの個人的な恋愛話からは想像もつかない事件で、その点では良い意味で予想を裏切ってくれた。
ラストに弱さは気になるものの、それを除けば読み応えのある作品だ。
by yuiga28
| 2005-01-09 07:57
| Book 小説