「新・水滸伝」 吉川英治 講談社吉川英治歴史時代小説文庫
2004年 12月 30日
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『水滸伝』は駒田信二:訳の『水滸伝』、杉本苑子の意訳本『悲華水滸伝』と読んで来て、こちらで3作品目。
駒田信二さんの『水滸伝』は日本語訳のベストと言われていて、『水滸伝』本来の魅力を十二分に味わわせてくれる。一方、杉本苑子さんの『悲華水滸伝』は人肉食の場面を排除したり、理屈が合わないところを上手に繕ったりして、現代の日本人、特に女性にも受け入れ易い物語に仕立て直している。
大衆小説の大家の手になるこの『新・水滸伝』はちょっぴり日本風にアレンジされていて、尚且つ一昔前の大衆小説の香りがぷんぷんしている。
始めは違和感があったが、しかし軽快でテンポが良くてとても読み易い。
その代わり、ばっさりと切り取られている場面(特に戦いのシーン)が多くて、その点は物足りなくもあった。
どうやら吉川英治さんは『水滸伝』の血沸き肉躍る部分ではなく、人間物語的な部分を強調したかったようだ。
残念なことに、この作品は著者の死により未完になってしまった。
120回本のストーリーで書き始められたと言われているが、70回本の結末、<108星勢ぞろい>のちょっと後、という中途半端なところで終わっている。
この先、朝廷の求めに応じて帰順し、国を守るために苦戦に継ぐ苦戦を重ね、梁山泊にも翳りが見え出し、最後には哀しい結末を向かえるわけだが、それを著者がどのように描いたのか、とても興味深い所なのだが・・・。
『水滸伝』は駒田信二:訳の『水滸伝』、杉本苑子の意訳本『悲華水滸伝』と読んで来て、こちらで3作品目。
駒田信二さんの『水滸伝』は日本語訳のベストと言われていて、『水滸伝』本来の魅力を十二分に味わわせてくれる。一方、杉本苑子さんの『悲華水滸伝』は人肉食の場面を排除したり、理屈が合わないところを上手に繕ったりして、現代の日本人、特に女性にも受け入れ易い物語に仕立て直している。
大衆小説の大家の手になるこの『新・水滸伝』はちょっぴり日本風にアレンジされていて、尚且つ一昔前の大衆小説の香りがぷんぷんしている。
始めは違和感があったが、しかし軽快でテンポが良くてとても読み易い。
その代わり、ばっさりと切り取られている場面(特に戦いのシーン)が多くて、その点は物足りなくもあった。
どうやら吉川英治さんは『水滸伝』の血沸き肉躍る部分ではなく、人間物語的な部分を強調したかったようだ。
残念なことに、この作品は著者の死により未完になってしまった。
120回本のストーリーで書き始められたと言われているが、70回本の結末、<108星勢ぞろい>のちょっと後、という中途半端なところで終わっている。
この先、朝廷の求めに応じて帰順し、国を守るために苦戦に継ぐ苦戦を重ね、梁山泊にも翳りが見え出し、最後には哀しい結末を向かえるわけだが、それを著者がどのように描いたのか、とても興味深い所なのだが・・・。
by yuiga28
| 2004-12-30 06:41
| Book 歴史