「ピカデリーの殺人」 アントニー・バークリー 創元推理文庫
2004年 11月 21日
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久しぶりにミステリーを堪能。
しかし、爽快とはちょっと言いかねる読後感。どちらかと言うとモヤモヤとした物が残る。
出来が悪いわけじゃない。ミステリーの新しい方向を模索し続けたバークリーだけに、いろいろと考えさせられてしまうことがあるのだ。それも含めての堪能ということだ。歴史小説や他のジャンルのものとは全く違った楽しみ方が出来たという意味・・・かな。
バークリーに限らずミステリーというジャンルの作品を読む時にいつも考えてしまうのが、<ミステリーにおけるリアリティー>ということ。「リアリティーがある」とか「無い」とか、書評や感想で語られることが多いが、ミステリーでの<リアリティー>って何?・・・と思ってしまう。
<謎ありき>がミステリーで、事件は謎解きのために存在する。そんな事件にどれだけの必然性と蓋然性を与えられるか・・・それが「リアリティーがある」と言われるかどうかの大きな要因だと思う。背後関係しかり、動機しかり、トリックしかりだ。
この作品の場合、動機の必然性は理解出来る。(とは言え、殺人の必然性なんて、殆どが利己的なもので、道徳的には問題アリだけれど・・・まあ、わかるよな~という感じ。)トリックもまずまず納得出来る。
しかし、背後関係となると・・・。
「その時、偶然にも・・・」という台詞はミステリーの謎解きにはありがち。<偶然>の要素が入ることで面白くなることもあるが、それが過ぎると、それこそリアリティーが無くなる。
この作品にもその点でちょっとだけ不満が残る。
実は、○○が××で、××が△△と??だった!(オイオイ!)・・・なんて、ちょっと出来過ぎでは?と思ってしまうのだが、人によっては許容範囲かもしれない。と言うか、このくらい認めないとミステリーは成立しない? だって、謎を創造するのはとても大変そうだから・・・。
ちょっと、意地悪く読んでしまったかな。
久しぶりにミステリーを堪能。
しかし、爽快とはちょっと言いかねる読後感。どちらかと言うとモヤモヤとした物が残る。
出来が悪いわけじゃない。ミステリーの新しい方向を模索し続けたバークリーだけに、いろいろと考えさせられてしまうことがあるのだ。それも含めての堪能ということだ。歴史小説や他のジャンルのものとは全く違った楽しみ方が出来たという意味・・・かな。
バークリーに限らずミステリーというジャンルの作品を読む時にいつも考えてしまうのが、<ミステリーにおけるリアリティー>ということ。「リアリティーがある」とか「無い」とか、書評や感想で語られることが多いが、ミステリーでの<リアリティー>って何?・・・と思ってしまう。
<謎ありき>がミステリーで、事件は謎解きのために存在する。そんな事件にどれだけの必然性と蓋然性を与えられるか・・・それが「リアリティーがある」と言われるかどうかの大きな要因だと思う。背後関係しかり、動機しかり、トリックしかりだ。
この作品の場合、動機の必然性は理解出来る。(とは言え、殺人の必然性なんて、殆どが利己的なもので、道徳的には問題アリだけれど・・・まあ、わかるよな~という感じ。)トリックもまずまず納得出来る。
しかし、背後関係となると・・・。
「その時、偶然にも・・・」という台詞はミステリーの謎解きにはありがち。<偶然>の要素が入ることで面白くなることもあるが、それが過ぎると、それこそリアリティーが無くなる。
この作品にもその点でちょっとだけ不満が残る。
実は、○○が××で、××が△△と??だった!(オイオイ!)・・・なんて、ちょっと出来過ぎでは?と思ってしまうのだが、人によっては許容範囲かもしれない。と言うか、このくらい認めないとミステリーは成立しない? だって、謎を創造するのはとても大変そうだから・・・。
ちょっと、意地悪く読んでしまったかな。
by yuiga28
| 2004-11-21 18:01
| Book ミステリー